【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「岬がどんな答えを望んできたのか、私は知らないけど……傷つくだけだよ」
「それを覚悟して来てるから。
傷ついても、今度は慰めてくれるヤツがちゃんといるよ」
「そっか。うん、そうだね」
澪が視線を落とす。澪が出してくれたコーヒーに一度口をつけて、それから話を切り出した。
「俺が聞きたいのは、事実だけだから。
変に隠したりすんなよ。──俺と澪が付き合ってたとき、澪はどんな気持ちだった?」
俺のことを遊んで、哀れに思ってたかもしれない。だけど、澪はそんなこと思ってねぇって思ってる自分がいた。
──これ、自分で澪のこと庇ってんのか。
「好き、だったよ。岬のこと」
「………」
「ただ、私の中にあった変なプライドのせいなの……。私ね、付き合ってる人がいるってバレた時に、中学生と付き合ってるなんて言えなくて」
澪の本音と、真実と。
俺の知らなかった、知りたかったこと。
「どんな人?って言われて、私……咄嗟に年上って答えちゃったんだ。
前からタイプは年上って言ってたから……あ、もちろん岬がダメだとかそんなことじゃないよ?」
頷く俺に、澪は出来るだけ詳しく、あの頃の話をしてくれた。──澪のちっぽけで大きなプライドも、全部。