【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「だから澪は、離れないままそばにいられる俺と付き合う手段を選んだ。
──そうだろ?」
「岬……っ」
苦しませてごめん。俺にとって澪は、誰よりも何よりも大切な存在だった。だから、それに浮かれて肝心の澪の気持ちをわかってやれなかった。
今になって気づくなんて、遅すぎた。
「で、結局その男と上手くいってる。
澪、好きだから結婚したんだろ?脅されたとか、そんなのじゃねぇだろ」
俺が離れたんだから、近づくものは何もない。それなのに結婚したということは、澪はその男を好きになったってことだ。
──たとえ、それが。他人から見れば、多少の恐怖感を抱くようなヤツだったとしても。
脅したと聞いた分、不安もあるけど。でも、きっと澪に危害を加えたりはしてないだろう。
「だって澪、笑ってる」
「え……」
「写真の中の澪、すげぇ幸せそうに笑ってんだもん。
俺がとやかく言うつもりはねぇよ」
あの時の真実を知れただけで、十分だ。
「俺は、いまから彼女んとこ行ってくるから」
「……うん。あのね、岬」
「誕生日プレゼント、毎年ありがとな」