【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
先に帰れって言われてたもんな……。
「オーナー、ご馳走さまでした」
「いえいえー。また来てね」
「はい、ぜひ」
──彼らのそばに、私がいたらだろうけど。オーナーが私の顔を知らなかったってことは、羽紗は来てないんだろう。
容姿がそっくりなのに気づかないなんてことは、ありえないだろうから。
「これでいーだろ」
「はいはいサンキュ~」
岬からお金を受け取るオーナー。岬は岬で、「早く帰んぞ」なんて言ってるし。
「羽歌ちゃん。
──隠すなら、完璧にね?」
外へ出る直前、耳元でこそっと囁かれた言葉に、心臓がドクッと音を立てたけど。
「また来ますね」
ふわりと微笑んで、何事もなかったかのように外へ出た。
「岬、本当に奢りでいいの?
自分の分ぐらい、私だって払うわよ」
「しつこい女は嫌いだって言ってんだろ」