【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



──……



「で、結局時間つぶして来たのか」



──心響の倉庫につくと、一応事情を聞いてくれた乃唯がつぶやく。

それから、はぁと小さくため息をつくと、私を優しく引き寄せた。



「倉庫で待ってると思ったのに、

帰ってきたらまだ戻ってないって言われたときに俺らがどれだけ焦ったかわかるか?」



「ごめん、なさい」



「今回は無事だったし、ちゃんとした理由もあるから見逃してやるけど。

次からは必ず連絡しろよ」



ぽんぽんと私の頭を撫でて、素直に頷けば、乃唯は私からゆっくりと離れた。




「アイツになんか言われなかったか?」



「いや、コイツがいたからかなんも言われなかった。

いつもならグチグチうるせぇのにな」



乃唯と岬のやり取りを聞いて、不思議そうな顔をしていたのか、稀沙が「オーナーのことだよ」と教えてくれる。



「オーナーね、

俺らの行動に色々と厳しい人だからさ」



「姫が行方不明になった時とか、

すげぇ怒られたもんねぇ~」



ゆるりと、流れるような声がして。振り返れば、彼は「ただいま」と、私と視線を合わせて微笑んだ。



「夕咲(ゆさ)……!おかえりなさい」



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