【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
16.さぁ、決断を
──微かに、指先が震える。
「羽歌ちゃん、平気……?
かなり震えてるけど……」
「大丈夫……です。
ちゃんと、けじめはつけますから」
「そっか……それならいいんだけど」
苦笑するオーナーと向かい合って座る私は、きっと堅い表情をしてるはず。
羽紗に昨日「わかった」と場所と時間を指定して返信すれば、私にそっくりな双子の妹は喜んで返事を返してきた。
──オーナーに送ってもらうと約束してた上に、ほかの人にはあまり聞かれたくないからと、私が選んだのは彼が経営するバー。
「来たっぽいね」
微かな物音を聞いた彼の言葉に、ぴくりと肩が揺れる。──泣きそう、だ。
理由はわからないけれど、泣きそう。
「こんにちは」
──後ろから聞こえた声に、全身が強ばる。なんで、なのよ。私が約束したのは、咲乃でしょう?
「羽紗ちゃんも、来たんだね」
「はい。お姉ちゃん、お待たせ」