【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



は、と。乾いた笑みがこぼれ落ちて、ゆっくりと彼が私に視線を向ける。



「何度その言葉を信じろと?

何度その言葉で私を裏切るの?」



「そうじゃなくて、」



「言い訳なんて聞きたくないの。

それだけなら、話す価値もないわ」



来ただけ無駄だった。所詮話したところで、私はあなたのことを理解できない。好きだと、何度裏切られたらいいんだ。



「お父様にもせっかくあなたとの付き合いを認めてもらえたことで浮かれた私を見て、ふたりで見せつけるためにキスしたんでしょう?

──哀れな女だって、笑ったんでしょ?」



もう、これ以上話すことはない。──そう決めて立ち上がったのに、私を引き止めたのは予想外の言葉だった。




「お父、様が……認めた、の?」



「知ってたんでしょ?」



「うそ、だ……っ」



羽紗の大きな瞳が、透明な涙を滲ませる。それから大粒の涙が、宙へと散っていく。──なんで、あなたが泣くの。



「ごめん、なさいっ……」



「何が〝ごめん〟なのよ」



「わたし、お父様がお姉ちゃんと咲乃の付き合いを認めてたなんて知らなくて……っ」



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