【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「乃唯と付き合ってたのに……
乃唯が自分じゃなくて私を好きだって、知ってたの……?」
「わかるよ……っ。
だって、乃唯のこと好きだったんだもん……ずっと乃唯とお姉ちゃんのそばにいたのは、私だもん……」
瞳を潤ませたまま私を見上げる羽紗。
無意識に、涙がこぼれ落ちた。
「乃唯がお姉ちゃんを好きだから……
お姉ちゃんは、お姉ちゃんのことを好きで大事にしてくれる人と幸せになって欲しくて……」
それで、乃唯を選んだ。
──ということ、は。
「あの、キスは……」
「咲乃には、たくさん謝って……
お姉ちゃんに嫌われるように、私がお願いしたの……っ」
──馬鹿だ、私。全部わかってしまった。咲乃は、私を裏切ったことなんてなかった。羽紗も、咲乃も、私のために。
「っ、ごめんなさい……」
ぎゅっと、まだ私に抱きついたままの羽紗を抱きしめる。──ずっと、好きだった。嫌いだと言いつつも、羽紗のことが好きだった。
ただ、咲乃を取られた嫉妬だった。
「ごめん、なさ……っ
わたしが勘違いしたせいで……咲乃とお姉ちゃんを逆にこじらせちゃった……っ」
──この子が私を傷つけたことも、裏切ったことも、一度もなかったのに。