【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
──それからしばらく、泣きやめなくて。
ようやく泣きやんだ私に、オーナーが水を出してくれた。こんなに泣くことってないから、頭が痛い。
「泣きすぎ」
咲乃にそう言って笑われたけど、むぅと唇をとがらせて顔をそらした。──だって、図星だし。自分でも泣きすぎたってわかるもの。
「お姉ちゃん、目真っ赤になってるよ……?」
「羽紗、余計なこと言わなくていいの。
黙ってなさい」
「お姉ちゃんのケチー」
そう言って頬をふくらませる羽紗にくすりと笑えば、きょとんとする。そんな彼女の髪に優しく触れて。
「切っちゃったのね。
私と同じロング、似合ってたのに」
「だってお母様が、お姉ちゃんとかぶっちゃダメって……」
「そんなの気にしなくていいじゃない」
というか、ひとつだけ気になっていたことがある。──羽紗は、どうして。
「私と双子なのに、
〝お姉ちゃん〟って呼ぶのよ」
「え?お姉ちゃん……覚えてないの?
昔、自分で言ったのに……」