【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



そう言いつつも、きっと和泉は手伝いに来るんだろうな。



「ずっと暇してるくせに……」



ぼそりと羽歌が言うと、お母様は「私もそろそろ帰るわ」と羽歌に声をかける。



「わざわざ、ありがとう」



「大事なんだから当たり前よ。

羽紗、あなたはどうするの」



「あ、えっと……私は、まだ」



「そう。──羽歌、羽紗。

また気が向いたら、実家に帰ってきなさい」




それだけ言って、お母様は部屋を出ていく。思わず泣きそうになった。だって、〝私〟のことを認めてくれたから。



「羽歌……ありがとう」



「私は何もしてないわよ」



「体調、大丈夫……?」



「平気。迷惑かけてごめんね」



ふっと、私から視線を外してみんなに声をかける羽歌。岬が羽歌に「無事でよかった」と、言えば。



「岬……

あとで、残ってもらってもいい?」



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