【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「……ああ」
「また明日」
ふっと微笑んで、彼に軽くひらりと手を振る。
彼が前にくれた合鍵を使ってマンションに入ると、そのままエレベーターで最上階に上がった。
さすが、御橋の息子というかなんというか。
ここ、確か高級マンションのはずなんだけどな。ひとつのフロアにひとつしか部屋はないし、最上階に住んでるんだから。
「お金持ちって、感じよね……」
──私だって、いまは羽紗と一緒に住んでいた高級マンションの最上階に、ひとりで住んでるけど。
エレベーターが開いて、彼の部屋のインターフォンを鳴らす。
鍵は持ってるから入れるけど、さすがに突然入ったらびっくりするだろうし。
「ん。いらっしゃい」
そう言って扉を開けてくれた彼が、次の瞬間「お前……」と驚いたような顔をする。
「そんな泣きそうな顔して、どうした?」
「え?」
私、泣きそうな顔なんてしてる……?
「何か、あったのか?」