【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



──……



「うたちゃーん」



ひさしぶりに聞いた甘くて可愛らしい声に、「いらっしゃい」と微笑む。



「目覚めたって聞いたのに、来るの遅くなっちゃった……ごめんねっ」



「大丈夫よ?」



「ふふっ、ありがとー。

そうそう、今日は用事があって来たんだよねぇ」



そうよね。後ろに、佐原がいるものね。




「ほら、陸っ」



「……悪かった。

巻き込んで、傷つけようとして。しばらく、意識失ってたことも梓から聞いた」



そう言って、頭を下げた彼。きっと、梓がそばにいる限り、彼はもう誰かを傷つけたりはしないだろう。



「梓のこと、大切にしてあげてね」



「……ああ」



「梓。ちょっとこっち来て」



「なぁに?」



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