【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



近づいてきた梓の頭を優しく撫でると、彼は戸惑ったように私を見つめてきて。



「強くなったわね」



「っ……」



「まだ、あなたのこと全然知らない私が言うなんて、偉そうだけど。

でも、とっても強くなった」



「羽歌ちゃん……」



「もう、梓なら大丈夫よ」



私の言葉に、梓は何度も頷いて。それから、「ありがとう」と嬉しそうに笑った。




「羽歌ちゃんも、頑張ってね」



「え?」



「みーくんが、

羽歌ちゃんと別れたって」



「知ってるの……!?」



別れたって、言ったの!?

──ああ、でも、言ってくれた方がよかったのか。そうじゃなきゃ、気まずいことになってたかもしれない。



「和泉さん、下にいたもん」



「え、来てるの?」



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