【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
ほんの一瞬、彼の唇に触れて。離れて小さく告げると、和泉が何か言いたげな顔をした。
「あー、も」
「………」
「おまえ、かわいすぎだから」
ぎゅうっと、抱きしめられて。耳元で小さく「俺も」と囁くから、愛しさで胸が締め付けられる。
「……和泉」
「ん?」
ん?って聞き返してくれるその声が好きだって、本人には言わないけど。でも、私の思いが伝わるように、彼の胸に顔をうずめて。
「……なんでもない」
目をつむると、ぽんぽんと頭を撫でてくれた。
「荷物まとめねぇと」
「そう、ね」
「もう一緒にいられるんだから、
そんな顔しなくていいぞ」
──和泉には、もう少しだけ。既に親に同棲の許可をもらってることは内緒にしておこう。
和泉ならいいわよって、二つ返事だったんだから。