【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「お前が最近、あいつらと関わってから。

かなりストレス溜まってたから、話聞いてやろうと思ってただけ」



「もう……ばか」



「はぁ?」



「優しくて、大好きになる」



「………」



リビングに私を通し、冷蔵庫から食材を取り出していた彼が、ぴた、と動きを止める。



……どうかしたの?




「……うわ」



そうつぶやいたかと思うと、なぜか奥の見えないほうへそそくさと移動してしまう。え、なんなんだ。



「和泉?」



「いま絶対こっち来んなよ……!

来たら晩飯作ってやらねぇからな!」



何があったのか、とてつもなく気になるのだけれど。晩ご飯を作ってもらえないのは、ちょっと嫌だから大人しくしておいた。



そのうち和泉は私の視界に入るところに戻ってきて、何を言うこともなく晩ご飯を作ってくれた。



──彼が私の言葉に頬を赤くして、一度落ち着くために隠れたなんてことは、知る由もなく。


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