【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
しばらくして、息の上がった羽歌にそう告げてクローゼットのある寝室に入る直前、
立ち尽くす羽歌が「ばか……」とつぶやいていたのが聞こえて。気づかれないように笑ってから、中へ入った。
「最近、さらにかわいくなってるよな」
着替えながら、ぽつりとつぶやく。
付き合ってから、羽歌は可愛らしくなった。俺が盲目になってるわけじゃなくて、ほんとに綺麗になってる。
たまに俺と羽歌がいるからとハチや葉月たちが遊びに来ることもあるけど、「綺麗になったよな」って言われてるから間違いじゃない。
恋をしたら綺麗になるとかいうアレか?
「……元から美人だもんな」
自分でも訳のわからない理由で納得して、リビングに向かう。
俺の晩飯を並べてくれていた羽歌を見て、ふととあることに気づいた。
「お前、今日メイクしてる?」
普段はめんどくさいと言って、グロスを塗るぐらいのメイクしかしないし、元から綺麗な羽歌はそれでも十分。
今朝は一緒に家を出たけど、メイクなんてしてなかった。
「今さら気づいたの?」