【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
それじゃあ、と。
立ち上がった岬は、ふと思い出したように俺に視線を向ける。
「そういえば、
和泉さんの初恋の人って羽歌らしいですね」
コーヒーでむせるかと思った。
「誰情報だよ、それ……!」
「ハチさんです」
あの野郎。何勝手に言いふらしてくれてんだ……!
「羽歌のこと好きになったのいつですか」
「はぁ?なんで言う必要あんの?」
「聞いてみたかっただけです」
「……割と最近。
咲乃に羽歌が裏切られた日から」
「……ほかに付き合ってた人もいて、
その人たちのことは好きじゃなくて、でも羽歌のことは割と最近好きになった……って、なんか都合良くないですか?」
まぁ、確かに。
羽歌にだけ、ころっと惚れてるんだからそう言われんのも無理ないよな。