【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
声が、震える。
和泉の左手が私の肩を掴んでいて、そして、右手が私の腕に触れた。
「……お前、昨日男たちに
襲われて乃唯に庇われたんだったな?」
「う、ん……そう、だけど」
「ここ、触られたか?」
ここ、と顎で示されたのは、和泉がいま右手で触れてる場所。──なんで、わかるのよ。
傷跡も痣も何も残ってないから、いつもと変わらず半袖の服を着てるのに。
「〝震えてたから、先に帰さなかった〟
──乃唯は、ハチにそう言ったらしい」
「っ、」
「お前、男は確かにニガテだし、知らねぇヤツに触れられて気持ち悪いのも、わかるけど」
「和泉、」
「羽歌は、そこまで弱くねぇのに。
震えたってことは、ここに触られたんだろ」
唇を噛んで、俯く。油断したら、また涙が溢れてきそうで。もう、泣きたくないのに。
「まだ……咲乃のこと好きなんだな」