【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「で、お前は本当に学習しねぇ馬鹿なのか」



「う、すみません」



和泉に背中をさすってもらいながら、なんとか呼吸を落ち着けた私は、わざわざ和泉が買ってきてくれたミネラルウォーターを喉に流し込む。



「だからあれほど、絶叫系ばっかり乗りまくんなよって言ったのに」



──そう、なのだ。



遊園地に来た私は、羽紗と絶叫系を制覇しようとはしゃいでいたのだけれど。途中で一度、別れるかということになって。



夕咲と羽紗と別れたところで、気分が悪くなってしまった。




ちなみに夕咲に和泉が連絡をとったところ、羽紗は平気らしく。



「体調悪いなら帰るか?」



「や、でも悪いし、」



「今更かよ」



正論に、ぐっと口を噤む。



確かにここまで迷惑をかけておきながら、今更悪いなんて言ったところで、何もない。



じぶんの方へと私を引き寄せた和泉は、私の頭を軽く撫でて、「来て正解だった」と穏やかに告げる。



声色が穏やかなのに責められてる気になってしまうのは、私が迷惑をかけてしまってるからだろうか。



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