【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「や、でも、」
「──俺のに、なんか用?」
突然聞こえた不機嫌そうな声に、肩が跳ねる。会話に思いのほか集中していたのか、彼が戻ってきていることに気づかなかった。
「和泉、」
「どうせぼけっとしてたんだろ」
「してないもん……」
ため息をついた和泉に、軽く小突かれて。それから、優しく抱きしめられたから、一瞬何をされたのかわからなかった。
「和泉……?」
「心配させんな」
「どう、したの?」
尋ねる私に、彼は「馬鹿」としか言ってくれなくて。気がついた時にはもう、さっきの男子ふたりは居なくなっていた。
「あれ、ナンパだから」
「え?」
「あの男ふたり組のこと。
ったく、俺のもんに手出そうとしてんじゃねぇよ」