【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
あれ、ナンパだったのか。気づかなかった。──なんて、思うよりも先に。
「羽歌?」
「……大好き」
和泉が、俺のもんって言ってくれたことが、どうしようもなく嬉しかった。彼の胸に顔をうずめると、和泉は頭を撫でてくれて。
「あんまり、可愛くなるなよ」
とん、と、肩に顔をうずめられた。
和泉がこうやって甘えてくるなんて、珍しすぎて、あまりにも近い距離に戸惑ってしまう。
「い、ずみ、」
「お前が男に声をかけられてたとき、
マジでかなり焦った」
「………」
「お前が思ってる以上に、
俺はお前に惚れ込んでんだよ」
「っ、」
「頼むから、あんまり可愛くなるなよ。
俺は何があってもお前だけは譲れない」
顔を上げた和泉の瞳の鋭さに、目を奪われて。次の瞬間には、反射的に目をつむった視界で、唇に何か柔らかいものが触れる。