【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



待っ、人前でしょ……!?



「ちょ、いずみ……っ」



「あー、やべ。俺マジで余裕ない」



「………」



「悪いな。

お前がまた離れるんじゃないかって、割と心配なんだよ」



「……ごめん」



あの時、彼との別れを選んだのは私だ。それが彼のトラウマとして残っているなら、私にできることなんてひとつしかなくて。




「もう、離れたりしないから」



「……わかってる」



「好きよ、和泉」



自分の気持ちを素直に伝えること。



──ただ、それだけだ。



「知ってる。

つーか、俺は愛してるから」



彼がわずかに視線をそらして、すこし恥ずかし気にそんなことを言うから。嬉しくて幸せなのに、どうしてかとてつもなく泣きたくなった。



< 355 / 368 >

この作品をシェア

pagetop