【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



ダブルデートだったはずなのに、結局和泉と一緒にいる方が多くて。でも、いつもと違って和泉がたくさん優しくしてくれたから、これも悪くないと思う。



「ねーねー、このあとどうするの……?」



夕方18時。最後にみんなで観覧車に乗って遊園地を出た私たちは、駅まで向かいながら話をする。



「ああ、お前らはちゃんと帰れよ。

俺らは行くところあるから」



「え、どこ行くの」



「秘密」



私の問いかけをたったふた文字でぶった切った彼は、駅に着く寸前で「俺らこっちだから。じゃあな」とふたりに軽く手を上げる。




そっちって、何かあったっけ……?



「ああ、なるほどな~。

んじゃあ、羽歌も和泉さんもまたねぇ~」



「……?ばいばいっ、羽歌!」



何かを理解して含んだように笑みを浮かべた夕咲と羽紗と別れて、和泉と特に大した会話もなく歩く。



「ねぇ、どこ行くのってば」



「飯」



「……それなら言ってくれればいいのに」



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