【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



何が秘密だったんだ、と思いつつ歩いていた私たちの目の前。和泉が足を踏み入れようとしたのは。



「あの……和泉」



「なんだよ」



「晩ご飯食べに来たのよね?」



「ああ」



「……ここ、ホテルなんですけど」



どう見てもホテル。うん。しかも結構有名なホテルなんだけど、と思っていれば、彼はあっさり受付でチェックインして。




「ほら、上がるぞ」



「………」



もう何言っても無駄でしょこれ、と、彼についてエレベーターで部屋に上がる。……ああ、待って。思い出した。



このホテル、有名も何も神無月の系列のホテルじゃないの。このエレベーター、確実にスイートルームのある階に向かってるわよね?



「和泉」



「お前ちょっとうるせー。黙ってろ」



そう言われたら口を閉ざすしかなくて。大人しくしていれば、彼に手を引かれて部屋へと連れていかれる。



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