【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「……岬、お前怒ってる?」
『どうだと思いますか』
「悪い。俺が責任持って、
こいつのこと倉庫まで送り届けるから」
『責任って……泊めたこと、ですか』
声の低さが途端に落ちて、は?と言ってしまいそうになる。──ああ、もしかして。俺がこいつに手出したとか思っちゃってる?
「いや、手は出さねぇよさすがに。
昨日家まで送らなかった分と、お前らに泊めたこと連絡しなかった責任」
『……乃唯に言っとくんで』
じゃあ、と、短くそれだけ言って電話は切れる。……先代だっつうのに、若干扱い雑じゃね?いまさらだけどな。
切れた電話の、岬の〝責任〟を訊ねたときの声があまりにも低くて。
一瞬、羽歌のことを好きなのかと思った。だからなんだって言われたらなんも言えねぇけど、でも。
「羽歌、起きろ」
──こいつだけは、誰にも取られたくない。
俺は、明らかにあの日からおかしい。
ひとりで隠れて泣いていた羽歌を、抱きしめたあの日から。──あの日だって、本能的に羽歌を抱きしめた。