【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
05.心に響く音
──隠せるなんて、思ってなかったけど。
「そうよ、私の元彼は咲乃。
あなたたちは、知ってるはずよね」
岬が、なんとも言えない曖昧な表情を浮かべる。
「……乃唯に、連絡するわね」
──本当のこと。早く言わないと。あの子の居場所も、無事だということも。
「ちょ、待て……っ」
連絡しようとしたら、手からスマホを奪い取られた。そして彼は私の手の届かない机の隅に置くと、小さく息を吐いて。
「黙っとく」
「え?」
「羽紗とお前が連絡取れんのは黙っとく。
知らなかったことにしといてやる」
「いや、でも、」
──あなた、羽紗のこと好きなんじゃないの?
言いかけたけれど、彼の真剣な表情に口を閉ざした。なんで、そんな顔するのよ。
「俺が好きなのはもう羽紗じゃない。
どうでもいいのとは違うけど、前ほど羽紗にはこだわらない」