【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「……でも、いいの」
「………」
「結婚したいだなんて、思ってないし。
そもそも私には神無月っていう大きな荷物があるのよ。それを受け入れてくれる人じゃないとダメなの」
──それに、その相手はもう決まってる。
彼らには、まだ黙っておくけれど。
「じゃあ、せめて……
俺らのそばに、いろよ。──姫」
自然と、口元に笑みが浮かんでしまう。ああもう、やっぱりみんなのことが好きだ。
「あなた急に優しくなったわね」
「前からだろ」
「ふふっ、うん。知ってる」
笑ってそう言えば、「んじゃ、俺はそろそろ帰るわ」と立ち上がる岬。そのまま立ち上がって玄関まで見送りに行くと。
「ここまででいいから。
あと、あいつらにはまだ黙っとけ」
「……うん」
「ん。じゃーな」