【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



付き合ってからは、楽しかった。



私がひとりで帰っていた中学の間は、羽紗は持ち前の優しさで友だちがたくさんいたから、その子達と遊んでいた。



──私はその間、咲乃と出掛けたり何気ない時間を過ごしたり。



付き合う前とあまり変わらなかったけど、咲乃は付き合ってからさらに私に優しくしてくれたし。



何より、神無月をあまり好んでいなかった私は、ちょっとした愚痴を聞いてもらえることが一番ほっとして。



咲乃は嫌な顔ひとつせずに私の話を聞いてくれていた。



「それが、困らせてたのかもしれないわね」




──あの子のように優しかったら、彼を気遣ってあげられたかもしれない。



でも、長続きしたと思う。



高校に入ると同時に、羽紗とふたりで、ということでふたり暮らしを許してもらった。



それからは彼を家に呼ぶことも多くて、いつも3人で一緒だったから。──ただ。



彼は高校に入って、出会った時から入っていた〝心響〟の副総長になった。だから、忙しくなることが増えた。



そう。



──〝今〟の代の、副総長だった。



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