【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
つまり、乃唯たちと同じ代だった。
──私は、その当時関わっていたわけではないけれど。咲乃が幹部は5人だと言っていたから、きっとひとつ年下の梓があとで幹部になったんだと思う。
咲乃と、乃唯は。
どちらも実力があって、その上とても仲が良かった。咲乃がたまに心響の話をしてくれる時、大抵は乃唯のことだった。
名前は出してなかったけど、総長がねって嬉しそうに話す咲乃は、私には輝いてるように見えて。
なんだかとても、羨ましかった。
そして、咲乃が偶然幹部たちといるところに、羽紗が出くわして。そこで羽紗は、ほかの幹部たちと顔見知りになった。
そして、間もなく乃唯の彼女になった。
「……雨、ね」
やっぱり雨は嫌い、と思ったところで、スマホがメールを受信する。
──送ってきたのは、羽紗で。毎日1通夕方から夜にかけて送られてくるこれに、私が返事をしたことはない。
『お姉ちゃん、元気?
関西は今日も暑いよー』
何気ないそのメールが、何よりも私の精神を追い詰めてるだなんて、きっとあの子は知らないんだろう。
『そうだ。
──夏休みの最終日、そっちに帰ります』
──あっけないほど、早い別れね。