【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
あの子がいなくなって、1ヶ月。
見つかる気配は、全くない。
「無事だろ」
「………」
「それ以外の答えなんて知りたくもねぇよ」
「……そうね」
親は、羽紗がいなくなろうとどうでもいいらしい。信じられなかったし、正直な話嫌いな妹だとしても、親の態度には腹が立った。
おかげで、神無月の力を使ってはあまり羽紗のことを捜索できない。私の使える最大限の力を使って、あの子を捜しているけれど。
「羽紗が嫌いか?」
「………」
「俺と出会ってすぐ、姫を引き受けるときそう言った」
『──私はあの子が嫌いだから。だから、あなたたちには関わりたくないの』
『神無月の令嬢が不良と関わってたなんて知れたら、どうなるかなんてわかるでしょう?』
「……普通の、姉妹なら。
──きっと、好きになれたんでしょうね」
どんくさくて、優しすぎるあの子のことを。