【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「ちょっ、痛い……」
「我慢しろよ」
「もう……」
少しすれば、彼は拭くのをやめて。ふわりと、優しく抱きしめてくれた。「何があった?」と聞きながら。
なんで、わかるのよ。
確かに言おうとしたのは事実だけど、先に読まれてるだなんて思わないじゃない。
彼の胸に顔をうずめると、和泉は「羽歌」と私の名前を優しく囁く。指先が、かすかに震えた。
「寂しくて……」
「……あいつらと、一緒じゃないからか?」
「それも、あるけど」
──羽紗が帰ってくるの。
そう言うと、彼の頭を撫でていた手がぴたりと止まる。ああ、そっか。好きだったんだものね。
「居場所、」
「え?」