【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
連絡しようと思えば、いつでも連絡できる。間違って番号のメールを消してしまわないように、保護までしてあるのに。
笑えるわね。
「羽歌、」
「咲乃だって知ってるなら否定しない。
ずっと私は彼のことが好きだから、もう何も言わないで」
──羽紗が、帰ってきたら。
何かもが日常に戻れば、咲乃に連絡してみようかな。何を言われても、私は彼を好きなはずだから。
いい加減、ちゃんと向き合うのも悪くないと思う。
「羽歌、」
「ん……、?
何してんだよ~、お前ら」
私と乃唯の視線が、夕咲の方を向く。
──よかった。さっきの間に彼の腕から抜け出しておいて。そんなとこを見られたら、修羅場になるに決まってる。
だって夕咲は、羽紗のことが好きなんだから。
「おはよう、夕咲」
「ん、はよ~」