雨木ちゃんにしては失意な恋
「ええ、わかります。だけど雨木さん、
あなた一人を許してしまったら、みんな許さないといけなくなるんですよねぇ」
「そこを、どうにかできませんか?」
えつこは泣きそうな顔で、沼田に頼んだ。
「どうにか…できないこともないけど」
実のところ、沼田が事務に少し口をきけばえつこが入学することなんて造作もなかった。
「たださぁ、私も一応立場ってものがあるしね? こういうことにはリスクがあるんだよ、雨木さん」
「そ、そうなんですか?」
「頼み方ってもんがあるじゃない」
沼田はえつこの肩に手を置いた。