雨木ちゃんにしては失意な恋

「雨木さん、大丈夫? 大変だったね。
お風呂わいてるから入りなよ」

加藤の態度は異様に優しく、えつこがやってくるとさっさと風呂に入れた。

熱いシャワーを浴びて頭の中を整理してるえつこは、加藤がその時、何を企んでいるかまでは考える余裕はなかった。

「ごめんね、今その服しかないから!」

風呂から上がり、着せられた服はなぜか中学の制服でも、加藤がこれから通う高校の制服でもないどこかのセーラー服だった。

中学卒業前のお楽しみ会ではコスプレもしていたし、加藤にはこういう趣味があるのだと、えつこは思った。
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