雨木ちゃんにしては失意な恋
死にそこなう、えつこ

草野は17階に住んでいた。

一体どれだけの金を両親に送ってもらっているのだろうとえつこは不思議に思う。

こんなところに一人で住んでるなんて…

「どうぞ、入って」

えつこはお邪魔しますとも言わず、ずかずかと部屋に入った。

この時も〝どうせ死ぬんだから〟と思って礼儀などそっちのけだった。
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