雨木ちゃんにしては失意な恋
えつこは草野の首に顔をうずめる。
柑橘系の、ライムのような香りがした。
首筋にキスをして、顔を離すといっそういとしさが増していることに気づく。
「草野も私と、したいと思う?」
「…まあね、それなりに」
二人は無言で身体を重ね合い、絡み合ったままゆっくりと眠りに落ちた。
ベッドの中で草野がえつこをからかって、「気持ちいい?」と何度も聞くと、えつこはくすくすと笑いながらそのたびに「気持ちよかった」と答えた。