雨木ちゃんにしては失意な恋

「…死ぬんじゃないのか、俺」

「くだらないこと言ってないで、ここ押さえててよ!」

止血の仕方など知らない。

慌てふためき、包帯を巻くがそれにも血がじんわりとにじんで真っ赤に染まる。

「どうしよう…止まらない…」

草野は血の気が引き、だんだん顔色が悪くなっていった。

「く、草野! しっかりしてぇっ」

えつこはネットで止血の仕方を調べ、
それの通りに、まずは手首の傷より少し下の位置を包帯で縛り上げ、血がこれ以上流れないように圧迫する。
< 79 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop