雨木ちゃんにしては失意な恋
「…死ぬんじゃないのか、俺」
「くだらないこと言ってないで、ここ押さえててよ!」
止血の仕方など知らない。
慌てふためき、包帯を巻くがそれにも血がじんわりとにじんで真っ赤に染まる。
「どうしよう…止まらない…」
草野は血の気が引き、だんだん顔色が悪くなっていった。
「く、草野! しっかりしてぇっ」
えつこはネットで止血の仕方を調べ、
それの通りに、まずは手首の傷より少し下の位置を包帯で縛り上げ、血がこれ以上流れないように圧迫する。