雨木ちゃんにしては失意な恋
そして、夏
そして、夏。
「えつこ、俺実家に帰るんだけど、
お前はどうする」
草野がめずらしく電話をしてると思ったら、実家にかけていたようだ。
「大学のこととか、いろいろ話さなくちゃいけないもんなー」
どこかめんどうくさそうに草野は言う。
「私は…行くところもないし、一人でここにいてもつまらないだけだし、」
えつこは草野についていくことにした。