雨木ちゃんにしては失意な恋
未来には何か目標がある。
目標があるから人は歩き続ける。
その目標が何なのかわからないが、それは大抵いつの間にか自分で見つけているものだ。
その最中なのだから、トオルのような邪魔者には途中で関わってほしくない。
できれば死ぬまで二度と
会いたくなかった。
えつこはトオルには一切何も答えずに草野のところに戻った。
「…なんだよその態度」
トオルはえつこを追う。
えつこは草野にジュースを渡すと、トオルなどそばにいない、存在しないと言わんばかりに無視して、草野のとなりに座った。