雨木ちゃんにしては失意な恋
「…へえ、えつこ、男作ったんだ。相変わらずきったねえ女だなあ。男なら誰でもいいってか。あの高校の豚みてえなオッサンでも、そいつでも」
「…だれ?」
草野はジュースを一口飲んで、
トオルを見た。
「そういうことはさ、俺達家族に、面倒見てもらった金とか全部返してからやるもんなんじゃねえの?」
トオルはえつこがいつまでも黙っていることにいらいらしてきた。
「俺、小遣いもらってるし。何ならえつこのこと買ってやってもいいよ。いくらがいい? 三万?」