雨木ちゃんにしては失意な恋

田舎は都会より涼しい。

電車で一時間ほどして草野の実家の最寄駅に到着した。

「さっきジュースごめんね。草野、全然飲んでなかったね」

「…あれ炭酸入ってたろ。俺炭酸苦手だからべつにいいけどね」

二人は田舎の、土ばかりのふにゃふにゃした道を歩いた。

田んぼや畑ばかりの土地で、ここなら知り合いに会わずにすみそうでほっとする。
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