雨木ちゃんにしては失意な恋

草野はさっそくのように話があるようで奥の部屋に行ってしまった。

「えつこさんはおいくつなの?」

客間に通され、荷物を下ろすと草野の母はそう聞いてきた。

「え…あの、18です…」

「まあ! じゃあ一年生ね!」

本当は、高校一年生のはずだった…

「ゆっくりしてちょうだいね。
あの子、ぼんやりして掴みどころがないように見えるけどきっとゆっくり休めば気力も湧いてくるわ」

「そうだと、いいですね」

えつこは思った。

そういえば蝉が鳴いている…

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