私の横に居る人
次の日、午前中は麻帆達と滑っていたが、ぐったり疲れてしまった麻帆の様子に、寛人先輩が麻帆を見て笑う。

「俺達、昼からは宿に戻るよ。初心者にはきつそうだからな。」

「明日の午前中にはここを出るから、運転の為にも俺も休憩が必要みたいだし。」

麻帆を気遣う寛人先輩はとことん優しい。

「智樹先輩は大丈夫ですか?」

私はそんな寛人先輩の言葉に反応して聞く。

「俺は昼からもう少し滑りたいかな。悠ちゃん、付き合ってくれる?」

「はい。」

私達はお昼を食べると、麻帆達とはそこで別れた。

「ちょっと上の方に行ってみる?」

「私が付いていけそうなコースなら…。」

智樹先輩の実力なら、どんなコースでも滑れそうだ。

そんな人に付いていけるかな。

「悠ちゃんは上手だから大丈夫だよ。もっと滑りたくてうずうずしているぐらいじゃないの?」
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