私の横に居る人
上の方はペアーリフトになっていた。

「ほら、リフト来たよ。」

二人でタイミングを合わせて、リフトに乗る。

タイミングを合わせるせいか、なぜか私の手を握る智樹先輩。

うまく乗れたのに、まだ離してくれない。

智樹先輩はそのことに気が付いていないのか、そのまましゃべりだす。

「悠ちゃんはスキーをいつ始めたの?随分滑り慣れているように見えるけど。」

「実はお父さんの実家が新潟なんです。小さい頃はよく行って、滑ってましたよ。でも最近は全然行く機会がなくて、今回は久しぶりで、初めのうちは怖くて…。麻帆にゆっくり付き合ってるうちに、勘を取り戻せたみたいです。」

「じゃあ、石野さんはプロ級の腕前かな?」

お父さんの意外な面を知って、智樹先輩は興味を示した。

「スキーをしている時のお父さんは恰好良いですよ。」

二人で笑っていると、降り場が近づいてきた。

「さあ、降りようか。」

また二人で息を合わせて、私は多少よろけ掛けたけど、手をつないでいる智樹先輩のフォローで何とか到着。
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