私の横に居る人
「緩そうなコースを選びながら行くから、付いてきてね。」

やっぱりさっきまでのコースとは違う。

スピードを加減するために、足に力が入る。

「大丈夫?」

所々で止まっては、声をかけてくれる智樹先輩。

智樹先輩はやっぱりスキーが上手だ。

これぐらいでは物足りないかも。

かなり下の方まで降りて来て、私がホッとした瞬間に前を男の子が横ぎった。

「うわっ。」

私はバランスを崩して、待っている智樹先輩に突っ込んでしまった。

私に足をすくわれるような形で、二人で倒れる。

思いきり雪にまみれてしまった。

「ごめんなさい。」

私は雪を払いながら、目を開けた。
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