私の横に居る人
次の日バイトへ向かう私達。

「今日の帰りは何か用事が出来たんですか?」

何気に私は先輩に聞いてみる。

「ちょっと人に呼び出されてね。バイトも少し早く上がるよ。」

いつもよりよそよそしい感じ。

私が知らない人と会うのかな?

そんな風に思っていた。

その日は締切が急に早くなった校正があり、ひたすら集中して机にかじりついていた。

「悠ちゃん、遅くなってしまったね。」

課長が声をかけてくれた。

「いえ、大丈夫です。これだけは何とか仕上げます。」

「助かるよ。さっき石野部長と会って事情を話したら、帰りにこちらに顔を出してくれるそうだ。一緒に帰ってよ。今日は斉藤も居ないから帰りを心配していたんだ。」

「あっ、そうですか。あともう少しなので頑張ります。」
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