愛された美少女

運命

必要なものだけを詰めたカバンを持って家を出た。

外は12月だけあって寒い。
行くあてがなく、繁華街へ来た。

早く。早く何処かへ行かなきゃ捕まってしまう。
また。また犯される。

また汚される。


3年前。お母さんが生きていれば

こんなことにならなかった。



「寒いわ」



ジャケットを強く握りしめて歩き出した


私は歩き回っていた。

家を出たのは1時。
夜の街はいつもに増して輝いている。


サンクスいこ。

店員の笑顔が私に向けられる。

私は笑えない。
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