天池クンは残念すぎる



ついに電車が来て、



「俺ら先行って大丈夫かな?」



久我が迷いなく先に乗ったけど、天池は心配そうに私に尋ねた。



水族館までの道は誰かに聞けばわかるだろうし



...んー、まぁ、大丈夫かな...多分。



由梨も小さい子供じゃあるまいし。



私は小さく頷いて、車内に足を踏み入れた。



続けて天池も乗る。






『扉が閉まります、扉付近の方はご注意ください』





......いや、でもちょっと待って。




やっぱり、心配だわ



降りて待っててあげないと...




乗った後にその考えに達した私は





「え、ちょっ...園田さん⁉︎」





徐々に閉じかけようとするドアを抜けて




ー 乗っていくはずの電車を、降りてしまった。


< 54 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop