天池クンは残念すぎる
ついに電車が来て、
「俺ら先行って大丈夫かな?」
久我が迷いなく先に乗ったけど、天池は心配そうに私に尋ねた。
水族館までの道は誰かに聞けばわかるだろうし
...んー、まぁ、大丈夫かな...多分。
由梨も小さい子供じゃあるまいし。
私は小さく頷いて、車内に足を踏み入れた。
続けて天池も乗る。
『扉が閉まります、扉付近の方はご注意ください』
......いや、でもちょっと待って。
やっぱり、心配だわ
降りて待っててあげないと...
乗った後にその考えに達した私は
「え、ちょっ...園田さん⁉︎」
徐々に閉じかけようとするドアを抜けて
ー 乗っていくはずの電車を、降りてしまった。