天池クンは残念すぎる


「......私だけでよかったのに...」



隣にいる天池にスマホを返す。



「え?」



受け取ると、天池は少し首を傾げた。




「私だけならまだいいけどさ、アンタまで遅刻扱いなんじゃん!バカかよアンタ」




「いや、俺が勝手に降りただけだし...そんなこと別にいいよ?

それに透と芹岡さんが上手く先生に言ってくれてると思うし、大丈夫だって」




こんな時まで、ヘラヘラ笑ってやがる。



...なんて能天気なヤツ。




ここは都会のようで都会じゃないみたいな所で、電車は急行や特急ならたくさん走ってるんだけど



さっき私が降りた電車、普通を1本逃すと次のが来るまで時間がかかる。




こんなことになるなら、降りなきゃよかった...




9時に水族館に学年全体集合だったのに、これじゃもう完全に遅刻。



私は、ため息を吐いた。
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