城下のお姫




 「牡丹帰るぞ」



 「うん!」



 授業も終わり、寺子屋から出ようとすると



 「牡丹殿、少々お時間宜しいか?」


 と年上(?)の方から声をかけられた


 

 一体何だろう?


 「良いですよ。総ちゃん、ちょっと待ってて?」


 「分かった」



 私は総ちゃんを寺子屋の前に待たせ、その人について行った


 よく見るとこの人…かなり良いお召し物を着てる


 農民や城下の皆と服の位が違うと見れる



 もしかしてこの人ー…



 「実は前々から牡丹殿の事が好きでした。貴方の麗しいお姿!何と例えましょうぞ、城下に咲く美しき桜ようだ!」



 「…はぁ」


 「もし、私と付き合ってもらえるのなら素敵な着物を用意いたしましょう!下のものに行って良い暮らしもさせてあげます。毎日美味しいご飯!悪くはないであろう?」


 士族の方か


 農民とは少し身分の高い種族


 士族も寺子屋で学んでいる




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