春風ライアー
冬休みに入った頃。
私は、親から重大な話をされました。
…海外転勤。
直人と毎日楽しく過ごして、この先もそれが当たり前だと思っていた矢先。
さすがに私一人を置いてくことは出来ない。そう言われました。
頭が真っ白になって、それでも浮かんでくるのは、直人のことばかりだったんだ。
その日1日考えた。
直人にいつ話そう、とか、
なんて言おう、とか、
そりゃもう、色々。
でもね。
私は不安で仕方なかった。
直人と離れて暮らすことが、想像できなかった。
だから、選択したのです。
「別れる」
という選択を。